足首の骨と骨とをつないでいる靭帯や関節包が損傷した状態。
多いのは内側に捻ってしまい足首の外側の靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)を損傷する内反捻挫。
外側に捻って内側の靭帯(三角靭帯)を損傷したものは外反捻挫。
足の捻り方によっては前側に痛みが出たり(前脛腓靭帯)、後ろ側(後脛腓靭帯)に痛みが出ることもある。
靭帯が部分断裂または完全断裂しているので、受傷後から患部が腫れて痛み、体重をかけられなくなる。
※場合によっては靭帯が付着してる骨が剥離骨折を起こす場合もあるので、たかが捻挫と安易に考えず整形外科で検査することが大事です。
初期処置
まず受傷後はRICE処置をすることが悪化させず早期回復のポイントになります。
施術方針
①患部の腫れ周囲に鍼
→まず腫れを引かせることが大事になりますので、腫れの周囲に鍼を施したり、心臓へ戻る循環を促すようにマッサージを行います。
②膝から下の筋肉を緩める
→痛みに対する防御反応やかばいながら過ごしているために、硬く収縮している筋肉に対しマッサージや鍼を施し循環を促します。
③股関節、膝、足関節の位置を整える
→捻り方によってはアライメントといって骨や関節の位置関係が悪くなっていることがありますので、周囲の筋肉をほぐしながら調整していきます。
④足関節周囲筋の強化
→部分断裂、完全断裂した靭帯は残念ながら元には戻りません。強度が低下していますので足関節は不安定になり以前よりも捻りやすい状態になってしまいます。
それを補うのが足首に関わる筋肉です。その筋肉をトレーニングし強度を高め足関節の安定性を獲得することで再受傷を予防していきます。
アキレス腱炎は腱そのものが炎症を起こしている状態、周囲炎はアキレス腱を覆っている膜など周囲の組織が炎症を起こしているもの。
アキレス腱につながるふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)が硬くなっていたり、偏平足のように重心が内側にかかってしまっていたりなどの要因で発生。
施術方針
①まず安静
→運動を中止しアキレス腱に負荷をかけないようにします。無理していると瘢痕が残り炎症を繰り返しやすい状態になってしまします。
②ふくらはぎの筋肉を緩める
→表層の腓腹筋、深層のヒラメ筋といったふくらはぎの筋肉が硬くなっていますので、マッサージや鍼を施し筋肉の柔軟性や弾力を取り戻します。
③足関節の可動性を改善する
→十分な可動性を獲得することでアキレス腱やふくらはぎの筋肉にかかる負担が軽減されます。
④足関節の強化
→捻挫をなどの既往歴があると足関節の靭帯が伸びてしまい不安定になっています。荷重の際のグラつきを抑えるために筋肉が過剰に働いてしまったり、アキレス腱の内側や外側といった部分的に負荷が集中することがあります。それをふせぐためにトレーニングで強化する必要があります。
⑤股関節の可動性改善と強化
→足先にかかる負担を軽減させるために、より体幹に近い大きい筋肉を動作の中で使えるようにしていきます。
足の裏にある足底腱膜(かかとから指の付け根まで覆っている腱様の膜)が荷重負荷などで微細な損傷を繰り返し炎症を起こしているもの。
かかとの少し前、内側が痛むポイント。痛みが取れるまでに比較的時間がかかる(数か月単位)。
※踵骨に骨棘ができていたり、クッションの役割を果たしている脂肪組織が炎症を起こしている場合もあるので、一度は整形外科を受診することをすすめします。
施術方針
①荷重負荷のかかる運動は中止する
→足底腱膜が傷つき炎症を起こしてますので、患部を安静にさせます。
②ふくらはぎの筋肉を緩める
→ふくらはぎの筋肉が硬く縮まっていると、かかとの骨を後上方に牽引してしまい、結果として足底腱膜が牽引されてしまい張力が高まってしまいます。それを解消するためにふくらはぎの筋肉がをマッサージや鍼などで緩めます。
③足底は緩めない
→足底腱膜は筋肉ではありませんのでそれ自体を刺激してもほぐれることはありません。周囲からの牽引力で張っているだけだからです。
足部はアーチ構造になっており、負荷が分散されたり力学的に機能を高めてくれています。
※足底の筋肉が緩んでしまうと、アーチを支える力が弱まり、アーチがつぶれてしまいます。そうなると足底腱膜の両端である踵と足趾付け根の距離が離れてしまい、結果として足底腱膜が引き伸ばされてしまいます。とても大事なポイントです。足底腱膜炎になる方は足底筋が弱いケースが多いです。
④足底筋の強化
→荷重しても崩れない強いアーチ構造を作るためにトレーニングが大事になります。
足底筋が強くなればほぐしてもアーチが崩れることがなくなります。