腸脛靭帯(臀部の外側から脛骨外側上部まで太ももの外側を縦に走っている筋膜様の繊維)と大腿骨外側上顆(膝外側少し上の出っ張り)が膝関節屈伸のたびに擦れ合い局所的な炎症が起きている状態。
施術方針
①臀部の筋肉(大腿筋膜張筋や中殿筋など)をマッサージや鍼などで緩める
→臀部の硬さは腸脛靭帯の張力を高めてしまい柔軟性が低下する
②内転筋群を緩める
→大腿外側と内側の筋肉の張り方のバランスを整える
→弱い側は筋力強化も必要
③肩甲骨を中心に上半身を緩める
→肩の動きと股関節、骨盤の動きは連動するため
→脚の力ばかりに頼らない走りへ
※アイシングやストレッチ、筋力強化など走れなくてもできることはありますので、セルフケアが大事になります。
足の裏にある足底腱膜(かかとから足趾の付け根まで覆っている腱様の膜)が、荷重負荷などで微細な損傷を繰り返し、炎症を起こしているもの。
かかとの少し前、内側が特に痛むポイント。
かかとの骨に骨棘ができている場合もあるが、必ずしも痛みを引き起こすわけではない。
ランニングでは接地のたびに足底腱膜に負荷がかかる。
施術方針
①ふくらはぎの筋肉を緩める
→ふくらはぎの筋肉が疲労で硬くなり縮まっていると、アキレス腱を介してかかとの骨を後上方に牽引してしまう
→その結果、足底腱膜が引き伸ばされ傷んでくる
②足底の筋肉は緩めない
→足底筋を緩めてしまうと荷重の際に足底筋の支えがなく、足全体が縦横に広がってしまう
→その結果、足底腱膜が引き伸ばされる
③アーチの強化
→荷重の際にアーチがつぶれないように、足底筋を強化する
※数日で改善するような軽いケガではありませんので、筋力強化など地道なセルフケアが大事になります。
脛骨(すね)の下1/3付近の痛み。骨膜の炎症。
ふくらはぎの筋肉を覆っている筋膜と、脛骨骨膜が接している部位に繰り返し負荷がかかり発症。オーバーユース。脛骨の疲労骨折につながることもある。
施術方針
①ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)をマッサージや鍼で緩める
→筋肉が疲労を起こし硬くなっていると、覆っている筋膜の張力が高まり、つながっている脛骨骨膜への牽引力を高めてしまう
②足関節周囲の筋肉、足部の筋肉を緩める
→足関節可動域の改善、関節がスムーズに動くようになることで筋肉の負担が軽減
③足部アーチのトレーニング
→アーチが低下していると下腿の内側から足関節内側にかけて張力が高まってしまう
→アーチが上がることで筋肉や骨膜への負荷が減る
④股関節、上半身を緩める
→股関節や肩の柔軟性を高め全身の連動性を高める
→脚の力に頼らない走りへ
※痛みが強い時は練習を休むことも大切です。
アイシングやアーチのトレーニングなどセルフケアが重要になってきます。
繰り返しやすいケガなので筋力強化も必要です。
太ももにある筋肉の一部である縫工筋、薄筋、半腱様筋が付着する膝内側やや下(関節面よりも数センチ下)に慢性炎症がある状態。
膝の曲げ伸ばしの際に筋肉・腱と骨や膝内側側副靭帯がこすれて炎症が発生。
施術方針
①半腱様筋、縫工筋、薄筋を緩める
→いずれも鵞足部につながるため患部にかかる張力を減らす
②膝関節に関わる筋肉を緩める
→膝関節がスムーズに動くようにすることで患部への負荷を減らす
③股関節、骨盤周囲を緩める
→股関節の可動域を改善し、接地から蹴り出しまでスムーズに脚を動かせるように
※足首が回内足の場合(土踏まずがつぶれて体重が内側に落ちてしまってる状態)は、膝の内側から足関節の内側にかけて負荷が強くなってしまいます。
アーチがつぶれないように足底筋を強化することも大事になります。
アキレス腱炎は腱そのものの炎症、周囲炎はアキレス腱を覆ている膜など周囲組織の炎症。
なぜ発症するのか
①ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)が硬い
②筋力不足(現在の筋力と練習量、強度がつりあっていない)
③足関節捻挫をしたことがあるなど、関節が不安定なために筋肉が過剰に働いてしまう。
施術方針
①ふくらはぎの筋肉をマッサージや鍼で緩める
→ふくらはぎの筋肉の硬さはアキレス腱の張力を高めてしまう
→緩めばアキレス腱の負担が減り、血流も良くなるので炎症が引きやすくなる
②股関節、骨盤周囲、上半身を緩める
→股関節を中心に体幹に近い筋肉を使えるようにする
→全身の連動性を高め、足先にかかる負担を軽減させる
③足関節、足部の筋力強化
→足関節の安定化
→土台が不安定だとその上の身体は筋肉が過剰に収縮してしまう
※痛みが強い間は患部は使わないようにし、体幹トレーニングなど筋力強化やストレッチを行ってください。
ランニング中はその姿勢を維持するために、絶えず腰背部の筋肉が収縮している。
また、一歩一歩の接地のたびに衝撃を受けているため腰椎や椎間板などにも負担がかかっている。
臀部の梨状筋が疲労で硬くなり坐骨神経を圧迫し坐骨神経痛が発症することも。
施術方針
①腰部の筋肉を緩める
→腰部筋肉は絶えず収縮しているため、疲労を起こしやすく血行不良にもなるため硬くなりやすい
②ハムストリングス、臀部を緩める
→ハムストリングスの硬さは骨盤を介して腰部の筋肉、筋膜につなっがっているため
③大腿四頭筋、腸腰筋を緩める
→ランニング姿勢において腰が落ちていることが多く、大腿部前側の大腿四頭筋や、ももを上げるための腸腰筋が疲労で硬くなっている
④肩背部を緩める
→上半身の重心は前側にくるため、姿勢を保つために背部の筋肉が収縮している
→肩が前側に巻き込んでいると重心が余計に前にきてしまう
→背部の筋肉は筋膜を介して腰部につながっているため、その緊張が腰部にも出てしまう
⑤坐骨神経痛が出てる場合などは梨状筋を緩める
※坐骨神経痛が出てる場合は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの可能性もあるので、整形外科も受診し検査を受けてください。